2015年06月08日

“祭り”を逆手に取ったプロモーション

ECサイトを運営されている企業にとって
少なからずリスクとしてあるのが
価格の誤表記による損失です。

私が把握している限り、
最初にこの問題が起こったのは
2003年10月に丸紅ダイレクトで起きた誤表記によるトラブルです。

通常、198,000円のPCを19,800円と表記してしまい
多大な損失が発生しました。

特に価格の誤表記を見つけたユーザが
2ちゃんねるに書き込んだことで“祭り”といわれる騒ぎとなり、
短時間に1500台もの注文がありました。

ざっと計算してみると、
損失額は2億7000万円ほど。
翌年2月末に丸紅ダイレクトは閉鎖されました。

この手の誤表記によるトラブルは
その後も時折みられ
その度に2ちゃんねるや、
TwitterなどのSNSで話題になっています。


ところが誤表記による“祭り”を逆手に取り
プロモーションを展開したECサイトがありました。

株式会社スタートトゥデイが運営するZOZOTOWNです。
zozo.png


今年の4月22日、ZOZOTOWNでは突然
複数のアイテムの価格表示が「0円」になっていました。

特にサイト上では何も告知がなかったため、
2ちゃんねるやSNS上では
システムエラーによるものでは?と噂がありました。

ところが実際に購入を進めていくと
0円のアイテムは1人1つしか注文できなくなっており、
また、購入が完了すると
「Thank you 10 Years.」というメッセージが表示され
昨年迎えた10周年の企画ではと憶測されました。

そして翌日の4月23日、ZOZOTOWNは
こんな告知をトップページに掲示します。
zozo2.png

つまり今回の、価格の誤表示はシステムエラーではなく
同社のサプライズキャンペーンであったとネタばらしをしたのです。

今回のキャンペーンで
ZOZOTOWNがこの企画で0円にしていたアイテムは
2万点、総額2億円分です。

投下した金額はともかくとして
今回のキャンペーンは
インターネットのリアルタイム性や、
SNS上での拡散性を利用し
話題化に成功した例といれるのではないでしょうか。

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