2016年04月04日
助成金を活用!職業能力を評価し、従業員のモチベーションをアップ
こんにちは。多賀谷です。
今回は、従業員のモチベーションをアップさせる制度、のお話をさせていただきます。
各人の仕事へのモチベーションを上げることで、
会社全体の生産性や売上をアップさせ、経営の向上につなげることができます。
しかも、制度導入に当たって助成金を活用できるので、コストはカットできます。
人事担当者様や経営者様はぜひお読みください。
皆様の会社では、従業員に対する評価はどのように行われていますか。
面談をしたり、上席が評価シートをつけたりと様々かと思います。
評価はあくまで査定である場合が多く、
評価内容を本人と共有している企業様は、少ないのではないでしょうか。
お客様に喜んでもらいたい、世の中に役に立つ商品やサービスを開発したい…等々、
仕事のモチベーションは人それぞれです。
働く理由とともに、多くのサラリーマンは自分の仕事を「評価されたい」という
思いをもっているものです。
会社の業務遂行に必要な個々の能力を、「職業能力」として評価する制度を設け、
職業能力を客観的で具体的な形に体系化し、見えるようにすることで、
従業員のモチベーションがアップします。
皆のモチベーションがアップすれば、おのずと全体の生産性がアップします。
さらに、適切な人事配置の基準として活用することで、
会社の経営力向上にもつながり、好循環させていくことができます。
しかも、新制度導入のための費用として、助成金を受給することができるのです。
では、職業能力評価制度とはどういったものなのでしょうか。
(助成金の対象となる)職業能力評価制度とは、
「事業主が自社の仕事の実施に必要な職業能力を体系的に整理し、
労働者が保有するその職業能力の評価を
ジョブ・カードを活用して計画的に行う制度」
です。
(用語説明:厚生労働省 キャリア形成促進助成金活用マニュアルより)
皆様は、助成金を受給したことはありますか。
豆知識として、助成金と補助金の違いをご紹介させていただきます。
助成金は、雇用や人材育成など「人」の視点から支援するものが多く、
主に厚労省が出しています。
要件を満たせば、ほとんどが受給することができます。
補助金は、起業・新規事業立ち上げや経済・産業の活性化など
「事業」の視点からを支援するものが多く、主に経産省が出しています。
審査があり、応募企業の中から選ばれ、採択される必要があります。
省庁だけでなく、地方自治体、公社、財団なども助成金や補助金を出しています。
申請から受給までの注意点としては、
1 助成金・補助金は、いずれも後払いである
2 すでに開始しているものには適用されない(各要項に開始時期が定められています)
の2点です。
助成金や補助金への理解を深めていただいたところで、
職業能力評価制度に話を戻しましょう。
職業能力評価制度は、厚労省が、
「企業内人材育成推進助成金(職業能力評価制度導入)」
という名前で、助成金を支給開始しました。
企業内人材育成推進助成金の募集は、平成28年3月末で終了し、
現在は、「キャリア形成促進助成金(制度導入コース)」として支給しています。
社労士などの資格がなくても、企業として申請し受給できますので、
ぜひ一度チェックしてみてください。
適用要件は?
助成金の受給には適用要件があり、各助成金ごとに定められています。
皆様の企業は、キャリア形成促進助成金の支給対象でしょうか。
大まかなチェックポイントは、
1 雇用保険適用事業所である
2 申請日から6ヶ月以内に事業主都合で解雇していない
の2点です。
詳しい要件…
支給金額は?
支給額は、中小企業で50万円(中小企業以外は25万円)です。
(画像:ハローワーク キャリア形成促進助成金活用マニュアルより)
申請先は?
東京でしたら、ハローワーク助成金事務センター分室で受け付けています。
地図
それでは、必要な書類を見ていきましょう。
まずは、申請書類をダウンロードします。
必要な書類は、(3)制度導入コース[1]<事業主>の、
制度導入様式1号、3、4、6、7号です。
(様式2号は、申請後に変更がある際に使用)
◎キャリア形成促進助成金(個別企業助成コース)制度導入・適用計画届〔様式1号〕
導入予定制度は、教育訓練・職業能力評価制度を選択します。
導入予定日は、提出日の1ヶ月~6ヶ月の間にします
(制度導入の6ヶ月前から1ヶ月前までに提出する必要があるため)。
職業能力開発推進者は、選任している、を選択し、
職業能力開発推進者を選任していない場合は、
職業能力開発推進者届を作成し、職業能力開発協会に提出します。
東京でしたら、飯田橋の東京しごとセンターにあります。
全国のサービスセンター所在地
◎職業能力体系図〔様式4号〕
◎職業能力評価項目 (個票)〔様式6号〕
体系図と職業能力評価項目は、この制度の肝になります。
作成方法を参照しながら、職種、職務、役職・等級を整理します。
体系図と評価項目は連動させます。
職業能力体系図の記載例
(画像:キャリア形成促進助成金活用マニュアルより)
職業能力評価項目 (個票)の記載例
(画像:キャリア形成促進助成金活用マニュアルより)
職業能力評価項目(個票)の能力細目、職務遂行のための基準は、
以下などを参考に(参考にしたものを「個票 10評価基準の出所」に記入)します。
・「日本版デュアルシステム訓練終了後の評価項目作成支援ツール(高齢・障害・求職者雇用支援機構)」
皆様の会社で必要な能力が、モデル評価シートなどの中になければ、
独自基準もある程度は入れて問題ないそうです(独自基準ばかりになってはNG)。
実際に職務を担当されている方と、話し合いながら作るのがおすすめです。
個票は、1つの能力ごとに作成します。
◎評価項目を記載したジョブ・カード様式3-3-1-2職業能力証明
ジョブ・カードには、評価項目をそのまま記載します。
ジョブ・カード作成支援ソフトウェアもあります
ジョブ・カードの記載例
(画像:ハローワーク キャリア形成促進助成金活用マニュアルより)
◎職業能力評価実施計画書〔様式7号〕
対象は、職業能力体系図・職業能力評価項目にある、職務×労働者区分となります。
対象期間は、3ヶ月以上1年以内で、定期的に行います。
期間は具体的に書くか、毎年○月×日などと書くこともできます。
職業能力評価実施計画書の記載例
(画像:ハローワーク キャリア形成促進助成金活用マニュアルより)
◎事業所確認表
◎登記事項証明書などの写し
◎就業規則または労働協約(制度を規定する前のものの写しおよび制度を規定した後の案)
導入する制度を就業規則または労働協約に規定し、
労働基準監督署に届けるなどの処理が必要です。
提出前に、提出チェックシートで確認しておきましょう。
今回は、助成金を活用して、職業能力評価を制度化することで、
各職務の目的・社内での位置づけ・達成に必要な能力を明らかにし、
客観的かつ具体的な評価を行おう、というお話をさせていただきました。
ジョブ・カードには、他者評価だけでなく自己評価もありますので、
従業員は、両評価の差異を確認し、
自分の強みと弱み、これからの成長イメージ、会社からの期待値を
自ら認識できるようになり、モチベーションがアップします。
各従業員のモチベーションをアップすることで、
会社全体の生産性や売上を高めましょう。
さらに、職能体系を整理し定期的に評価することで、
従業員一人ひとりに目を向け、適切な人事配置に活用することができます。
相乗効果で、会社の経営サイクルを好循環させていきましょう。
- by 多賀谷真帆
- at 19:37
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