2016年06月13日
EXCELがもっと便利に!校正やデータ整理に使える、マクロ不要の便利技4例
こんにちは。多賀谷です。
今回は、皆様が日常業務でよく使われている、
EXCELをさらに便利に使える方法をご紹介します。
業務管理に経理処理、帳票作成etc…EXCELを使ってできることは数多くあります。
パソコン業務がある企業で、
EXCELを使わない企業はないといっても過言ではないでしょう。
ですから、EXCELを今よりうまく活用できれば、
仕事の効率がぐんとアップするのです。
EXCELを使って作業しているとき、
「こんなことできないかな?」とWEBで調べると、
うまい具合に見つからなかったり、
難しそうなマクロばかりヒットする、ということがあると思います。
「今いちよく分からないし、入れるとファイルが壊れそう…」、
「すぐにできそうもない」、「やりたい内容と微妙に違う」、
と諦めてしまうことは、多いのではないでしょうか。
実は、発想を転換して別の関数を使ったり、
関数を少しアレンジしたりすると解決できることは多いです。
シチュエーション別に、いくつかご紹介します。
マクロのように難しいものではなく、
セルに入れるだけで、今すぐ取り入れていただけます。
カナを除いて半角にしたい
「UNOビル3階」など、数字を半角にしたい場合があると思います。
全角を半角にするには、ASC関数が一般的です(反対はJIS関数)。
ただ、ASC関数は、英数字だけでなく、カナも変換されてしまうのが、難点です。
例をASC関数で変換すると、「UNOビル3階」になってしまいます。
ここで、『PHONETIC関数』を使えば、簡単にカナのみ全角に戻すことができます。
ASC関数の計算結果を隣のセルに『値で貼り付け』し、
『PHONETIC関数』で変換するだけです。
※ ただし、ひらがなもカタカナに変換されます。
また、( -など記号は全角にしたい場合、『SUBSTITUTE関数』が使えます。
SUBSTITUTE関数は、セル内の「ある文字」を「別の文字」に変換する関数です。
文字列中の指定された文字列を他の文字列に置き換えます。
SUBSTITUTE 関数は、文字列中の特定の文字を置き換えるときに使用します。
SUBSTITUTE(文字列, 検索文字列, 置換文字列, [置換対象])
(関数の説明:Microsoft Office のサポートより引用)
文字を文字に変換するので、何でも変換することも可能です。
例えば、「数字」「.」は半角、「・」や「()」は全角などと、
全角と半角を交える必要がある場合に活用できるのです。
●(を(に変換する式
=SUBSTITUTE(SUBSTITUTE(変換したいセル番号,"(","("),")",")")
重複データの確認
データを名寄せして重複をまとめたいことがあると思います。
データの重複の管理には、EXCELの標準機能 重複を削除 がよく知られています。
重複を削除 機能は、
重複データが完全に一致している場合は、確かに便利です。
ただ、行によって入っている項目がまちまちであったり、
複数のレコードを生かしたい場合には、
一番上のレコードだけが自動で残る形になるためうまくいきません。
専用のソフトを購入したり、マクロを組まなくても、
『COUNTIF関数』が活用できます。
COUNTIF 関数は、1 つの検索条件に一致するセルの個数を返します。
たとえば、特定の市が顧客リストに表示される回数を返します。
COUNTIF(範囲, 検索条件)
(関数の説明:Microsoft Office のサポートより引用)
下の例なら、=COUNTIF(B:B,B1)というように、
B:B →重複検索したい行、B1→重複のキーにするデータのセル番号を入れます。
2行目は=COUNTIF(B:B,B2)、3行目は=COUNTIF(B:B,B3)となるよう、
ドラッグしてコピーすればOKです
(セルの右下にカーソルを合わせて+が出たらダブルクリックすると下まで入ります。)。
結果が2以上なら重複しているということなので、
フィルタをかけてデータを整理します。
消費税の小数点以下を切り捨てたい
消費税や源泉徴収税など切捨ての値を出したい場合があると思います。
端数処理でよく使われるはROUND関数です。
ただ、ROUND関数は四捨五入をして桁数を切捨てるので、
.以下の値によっては、切捨ての値と数値が変わってきてしまいます。
ROUNDDOWNにすれば切り捨て計算できますが、
セルの形式(表示桁数)によって198.00などと表示されてしまうので注意が必要です。
ここで、あまり耳慣れないかと思いますが、
『INT関数』を使えば一発で解決できます。
=INT(変換したいセル*1.08)
さて、消費税について、ちょっとした豆知識です。
皆様は、消費税の端数はどう処理するかをご存知ですか。
切り捨てでしょうか?切り上げでしょうか?四捨五入でしょうか?
実は、どのように端数処理を行うかは、
各企業にゆだねられているのです(企業内で一貫性が必要)。
税込価格の設定を行う場合において、1円未満の端数が生じるときは、
当該端数を四捨五入、切捨て又は切上げのいずれの方法により処理しても差し支えなく、
また、当該端数処理を行わず、円未満 の端数を表示する場合であっても、
税込価格が表示されていれば、総額表示の義務付けに反するものではないことに留意する。
(国税庁 法令解釈通達より引用)
各種書類を作る際にも関係するので、
ご自身の会社ではどう処理しているか、チェックが必要ですね。
姓名をまとめる、姓名の間にスペースを入れる
「山田」「太郎」などと、2つのセルに分かれているデータを
「山田太郎」と、ひとつのセルにまとめたいことがあると思います。
文字列の結合の関数といえば、CONCATENATE関数です。
ここで、関数を使わなくても、
文字列演算子「&」でより自由に簡単に結合できます。
『=結合したいセル番号&結合したいセル番号』、これだけです。
※結合したいセル番号にセル番号を入れる
例の場合は、山田が入っているセルと太郎が入っているセル
スペースや文字を入れたい場合は、" "で囲って加えます。
●姓名にスペースを入れる
『=結合したいセル番号&" "&結合したいセル番号』
●姓名にスペースを入れて様を付ける
『=結合したいセル&" "&結合したいセル&"様"』
●結合して改行する
『=結合したいセル&CHAR(10)&結合したいセル』
ちなみに、反対に「東京都千代田区飯田橋3-2-4 UNOビル3階」と
ひとつのセルにまとまっているデータを2つのセルに分けたいときは、
『区切り位置』機能を使います。
分けたいセル(列ごと可能)にカーソルを合わせ、
『区切り位置』を押すだけです。
後はウィザードに従います。
できました。
今回は、難しい設定をしないとできないと思われがちなことを関数で解決したり、
よく知られる方法よりも簡単にシンプルにしたりすることで、
EXCELをもっと便利に使える例をご紹介しました。
マクロの知識がなくても、関数や標準機能だけで、
思った以上にいろいろアレンジできることがお分かりいただけたかと思います。
IF関数などで自分オリジナルの関数を作るのも面白いですよ。
人力ですとどうしても抜けやミスが多くなります。
EXCELにいろいろ任せて処理をしてみましょう。
今回ご紹介した例は即使っていただけますので、
皆様の日常業務に手軽に取り入れて、効率をアップさせましょう。
- by 多賀谷真帆
- at 12:04
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